腹部動脈の血管リモデリングに関する数値解析

膵臓と十二指腸に動脈血を届ける血管である膵十二指腸アーケードは,その両端がそれぞれ腹腔動脈と上腸間膜動脈につながった独特な構造を持つ.そのため,腹腔動脈狭窄時は,上腸間膜動脈から肝臓,胃,脾臓に血液を届けるための側副血行路(血流の迂回路)となる.また,その際には長期的な血管リモデリングが進行し,血管が太くなることが知られている.このような,血管リモデリングを伴う側副血行路の形成とそれによる血行動態の変化は,腹部の手術において考慮すべき重要な要因であるにも関わらず,明らかになっていない.そこで,本研究では,動脈網のリモデリングを予測するための数値解析手法を開発し,膵十二指腸アーケードの血管リモデリングが内臓への血液供給に及ぼす影響を調べる.また,得られた解析結果の臨床的意義について考察する.

研究成果

  • C. Yuhn, K. Hoshina, K. Miyahara, M. Oshima, “Computational simulation of flow-induced arterial remodeling of the pancreaticoduodenal arcade associated with celiac artery stenosis,” Journal of Biomechanics 92, pp.146–154, 2019. (doi: 10.1016/j.jbiomech.2019.05.043)
  • ユン チャンヨン,  “腹腔動脈狭窄時における膵十二指腸アーケードの血管リモデリングに関する数値解析,” 東大生研TSFD研究グループ定例会, 2018年11月13日, 東京.
  • C. Yuhn, K. Miyahara, K. Hoshina, M. Kobayashi, M. Oshima, “Computational simulation of vascular remodeling of the pancreaticoduodenal arcades in the presence of celiac artery stenosis,” 8th World Congress of Biomechanics, 8–12 Jul 2018, Dublin, Ireland.
  • C. Yuhn, Y. Suzuki, M. Kobayashi, K. Miyahara, K. Hoshina, M. Oshima, “Numerical study on hemodynamics and vascular remodeling of pancreaticoduodenal arcade in the presence of celiac artery stenosis,” The 9th JSME-KSME Thermal and Fluids Engineering Conference, 28–30 Oct 2017, Okinawa, Japan.

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